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AI時代にそなえデータ分析を必須科目に スタンフォード大ビジネススクール学部長

出典:iStock jejim

インタビュー
2018.1.27

AIが進化すれば社会が大きく変化するのは間違いない。その社会変化を前にして教育はどう変化すべきなのだろうか。AI技術を牽引する世界的なテクノロジーの集積地の1つである米シリコンバレー。そのど真ん中に位置する名門スタンフォード大学のビジネススクールの学部長ジョナサン・レビン氏が来日したので、その辺りの話を聞いてみた。

ーービジネススクールで教えている内容って、10年前と比べて変化しているのでしょうか?

レビン氏 教える内容は常に変化し続けています。なぜなら学生のニーズが変化してきているからです。それに伴い教授陣や事務局は、新しいクラスやカリキュラムのアイデアをどんどん出してきています。

ただ変化しない点もあります。変化しないのは、ビジネススクールの目的が学生の可能性を最大限に広げるためにあるという考え方です。

一方で変化している点としては、過去10年間で学生の人格形成に影響を与えるようなカリキュラムが増えたということでしょうね。もちろんファイナンスや会計などの授業は、以前と同様にあります。でもそうした基礎的なスキルを教える授業に加えて、パーソナル・グロース、パーソナル・デベロップメントと呼ばれるような授業が増えてきました。思いやりや共感といった資質を育成する授業です。思いやりや共感といった資質は、リーダーとして組織を引っ張っていったり、チーム内でのコミュニケーションを促進するために、不可欠な資質だからです。

あと最近は、ビジネススクールにいろいろな人が講師として参加してくれるようになりました。各分野の教授陣もそうですし、ビジネス界から参加してくれる人が増えました。

ーー有名なビジネスパーソンだと、どんな人が講師として来られてますか?

レビン氏 Googleの元CEOのEric Schmidt氏、OracleのCEOのSafra Catz氏などが講師としてきてくれています。あとは航空会社JetBlueの会長だったJoel Peterson氏が、非常勤教授になってくれています。

ジョナサン・レビン氏

ジョナサン・レビン氏

ーーAIが進化し普及すれば、社会が大きく変化するものとみられています。教育も変化すべきだと思うのですが、スタンフォード大学ビジネススクールは今後どう変化していくと思いますか?

レビン氏 AIやデジタル技術は、世の中を大きく変える力を持っています。今後10年から20年で、社会はまった異なる形になっていることでしょう。当然、われわれのカリキュラムにも変化をもたらすと思います。

まずはスキルとして、データを読み解く力が不可欠になると考えています。どの企業でも幹部は、データや技術に詳しくなければなりません。なので昨年からデータ分析とデータディシジョンのクラスの内容を全面的に刷新しました。よりハンズオン方式で、実際に大きなデータを取り扱う内容に変えました。昨年1年間でこの新しいやり方を試験的に運営し、今年からこうしたクラスを必須科目にしました。

またこうしたスキルだけではなく、ビジネスリーダーはより大きな視座で社会の変化を読み解く力が必要になってきます。AIによってどのような仕事が自動化されるのか。その結果、どのような仕事が生まれてくるのか。既存の業界や大企業をどう変えるのか。どのようなスタートアップにチャンスがあるのか・・・。ビジネスリーダーは、だれよりも早く正確に時代の先を読まなければなりません。

この点で、スタンフォード大学は非常に有利だと思います。ラッキーなことにスタンフォード大学には、機械学習を専門に研究してきた教授はもちろんのこと、AIが社会にどのような影響を与えるのかを研究している教授もいます。企業にとって、人間の心理にとって、AIがどういう意味を持つのかを研究している教授もいます。世界のトップレベルの教授が揃っていて、しかも分野ごとの垣根が低い。さらには大学の周りには、最先端のビジネスが揃っていて、大学とビジネスの垣根も低い。大きな視座で社会の進む方向を読み解けるのに最適な環境が揃っているのがスタンフォード大学の強みであり、スタンフォード・ビジネス・スクールの強みだと思っています。


Editor's Profile

AI新聞編集長。米カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校経済学部卒業。サンフランシスコの地元紙記者を経て、時事通信社米国法人に入社。シリコンバレーの黎明期から米国のハイテク産業を中心に取材を続ける。通算20年間の米国生活を終え2000年5月に帰国。時事通信編集委員を経て2010年独立。2017年12月から現職。主な著書に『人工知能、ロボット、人の心。』(2015年)、『次世代マーケティングプラットフォーム』(2007年)、『ネットは新聞を殺すのか』(2003年)などがある。趣味はヨガと瞑想。妻が美人なのが自慢。

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